眼底検査の方法・検査費用

眼底検査Q&Aでは、眼科・健康診断で行われる眼底検査の検査方法、眼底検査にかかる費用・料金、糖尿病・動脈硬化・高血圧の可能性についてQ&A方式で初心者向きに解説。

◆加齢黄斑変性症の検査の種類

◆加齢黄斑変性症の知識

 加齢黄斑変性症の検査はこれから診断を行なう場合や、既に治療を行なっており、予後を確認する定期検査の際に検査が実施されます。

 ここでは黄斑変性をチェックする検査にはどのような検査があるのか?など検査の種類についてチェックしていきましょう。

◆自覚症状を問診時にしっかり医師に伝える

 眼科や大学病院などで加齢黄斑変性症の検査を行なう場合は、まず問診で現在の症状などを確認していきます。

 加齢黄斑変性症の独特の症状としては、ものがぼやけて見えるなどの症状の特徴があるので、現在自分に起きている自覚症状をまずはしっかりと医師に伝えることが重要です。

 ではここで実際にどのような検査が行なわれるのかについて見ていきましょう。

◆視野検査(アムスラー検査)

 囲碁の碁盤のような升目と丸いポイントが入った格子状の用紙を使用して行なう検査が視野検査です。

 この碁盤のような図はアムスラーチャートと呼ばれます。

 アムスラーチャートには中心部分に黒く丸い点が入っており、片方の目を手で覆って片目ずつ用紙を見ていきます。

 目と用紙の距離は焼く30センチ程度離し、片目ずつチェックしていくのがポイントです。

※Point!30cm程度の距離を保って測定する

◆網膜(黄斑部)に異常がある場合は?

 視野検査を行なった際にもし、中心部分の黒い点がぼやけて見えるようであれば黄斑部に異常を生じている可能性が検討されます。

 また、アムスラーチャートの中心部分から半径約5センチ程度、直径10cm程度の部分にゆがみを生じていないかもチェックしましょう。

 加齢黄斑変性症は網膜の中心部分にある黄斑部に異常が発症するので、視点の中心部分のみがぼやけて見える症状をもつこともひとつの特徴です。

 中心部分だけ若干ぼやけて見える、しかしアムスラーチャート用紙の縁や周辺部分はくっきり見える。

 もしこのように中心部だけぼやけて見える場合は、ほぼ間違いなく黄斑部の疾患と捉えてよいでしょう。

※Point!中心部分だけ歪んで見える時は黄斑変性症の可能性が高い

◆加齢黄斑変性症の見え方の特徴

◆視界の中心部分だけ歪んで見える

 加齢黄斑変性症は文字通り目の中心部分にある黄斑部分にトラブルを生じる目の病気です。

 もし実際にこの病気になってしまった場合は、物はどのように見えるのでしょうか?

 この答えは
●中心部分のみ歪んで見える
 のが正解です。

 具体的な見え方としては中心部分に暗いエリア(暗礁部分)が出来たり、視界の中心部分だけ歪んで見えるようになります。

 一本の縦の直線の場合は、真ん中部分でぐにゃりと曲がったように見える事になります。

◆自宅でも出来る簡易検査

 見え方から加齢黄斑変性症をチェックする検査がアムスラー検査(視野検査)です。

 アムスラーチャート用紙を使用し、縦、横に網目状に引かれた直線をチェックしていきます。

 図の場合は、歪みが確認しづらいものですが、アムスラーチャートのように直線を使用すると自分の目の症状をよりしっかりと確認することが出来るようになります。

 自宅でも出来る簡易検査方法ですので不安な方は一度チェックしておきましょう。

◆加齢黄斑変性症による失明リスクとは?

◆脈絡膜から生まれる新生血管

 加齢黄斑変性症は少しずつ目の状態の悪化を招く疾患ですが、放置していると最終的には失明に至る可能性を持つ疾患です。

 この失明に至る原因となるのが網膜色素上皮の老化と、老化によって生まれる新生血管です。

 網膜色素上皮は老化し機能が衰えると網膜内にカス状のゴミのようなものを溜めこむようになります。

◆老化する網膜色素上皮

 網膜に溜まるようになった網膜色素上皮のカスはそのまま網膜上に残っていると視界を遮る為、眼にとっては異物です。

 この異物を取り除く為に、脈絡膜と呼ばれる網膜の外側を覆う組織から血管が伸びてくるようになります。

 この異物の回収を目的として誕生する新しい血管が新生血管です。

※Point!脈絡膜から新生血管が生まれる

◆新生血管は脆く出血しやすい血管

 新生血管は老化した網膜色素上皮のカスを回収する為に誕生した血管ですが、この血管は急ごしらえで作成された血管であり強度は弱く非常に脆い血管でもあります。

 その為、新生血管は頻繁に破れ眼球内で出血を起こすようになります。

 加齢黄斑変性症を発症すると視界が歪むのは、網膜上に新生血管が破れた際の血液が流れ出ている事が原因にあるのです。

 この出血が過剰な量に達すると最終的には失明に繋がってくる可能性もあることを覚えておきましょう。

◆加齢黄斑変性症をもたらす原因とは?

◆加齢黄斑変性症の原因

 50歳以上の男性の約1%以上に発症すると言われている加齢黄斑変性症。

 加齢黄斑変性症はなぜ発症するのか?どのような人に発症しやすいのか?

 ここでは発症の原因についてチェックしていきましょう。

 加齢黄斑変性症はその名の通り加齢によって発症する可能性をもつ目の病気です。

 詳しい発症原因は未だ解明されている部分は少なく、明確な治療法も完全に確立されていないのが現状ですが、統計的に幾つかの傾向があることが確認されるようになってきております。

 加齢黄斑変性症を発症する原因となるものは大きく分類すると以下の3つのケースが考えられます。

◆老化による発症

 加齢という言葉からも解るとおり、老化は間違いなく加齢黄斑変性症の発症要因となっております。

 これは目の組織に限る話ではありませんが、年齢を重ねるごとに組織は老化し機能が弱体化していきます。

 黄斑変性では映像を認識する網膜の老化現象が進行するにつれて発症確立が高くなることが確認されております。

 また統計的には男性は女性の役3倍程度高い確率で発症する傾向があることも確認されております。

※Point!男性は女性よりも役3倍発症率が高い

◆遺伝の影響

 遺伝の影響はまだ確実に解明されているわけではありませんが、多くの病気でDNA組織の遺伝が関与しているように加齢黄斑変性に関しても遺伝が関与している可能性が検討されております。

 双子の場合は、一方が発症した場合、もう一人も90%以上の確立で発症する可能性があると言われており、親子間においても遺伝性の可能性が確認されるデータが報告されております。

※Point!遺伝性も確認されつつある

◆喫煙による影響

 喫煙はほぼ間違いなく加齢黄斑変性症のリスク因子のひとつです。

 男性が女性よりも発症確立が高い原因のひとつにも喫煙習慣の問題があると考えられております。

 発症確立は喫煙年数が高くなるほど増す傾向にあります。

 この他、生活習慣病やストレスの関連性も指摘されていますが、まだ加齢黄斑変性症の明確な原因とはわかっておりません。

◆期待の高まるips細胞-再生医療の現場

◆人工多能性幹細胞とは?

 加齢黄斑変性症の発症原因として考えられている網膜色素上皮の老化問題。

 この問題を解決する可能性もつ医療がips細胞量です。

 ips細胞療法による加齢黄斑変性症の治療の期待は年々高まりつつあります。

 ipsは人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう)と呼ばれるひとつの細胞に数種類の遺伝子情報を組み込むことで万能型の細胞を生み出す再生医療分野の切り札とも言える医療技術です。

 現在は日本はもちろん世界中の研究者がips再生医療の研究開発を進めており、既に幾つかの技術が医療現場に導入されてきているのが現状です。

 加齢黄斑変性症の治療に関しては新生血管を生み出す要因となる網膜色素上皮の再生を行う事で老化に伴う新生血管の造成を抑制する効果が得られる可能性持つ事が期待されております。

◆網膜色素上皮の老化現象を食い止める

 ipsが実際に黄斑変性症の医療現場に導入された場合に現在期待されるのは病気の進行を遅らせるという点にあります。

 既に発生した新生血管に関してはips細胞を移植しても戻すことはできません。

 その為、光干渉断層計(OCT)やレーザー治療によって新生血管を取り除くことは今までと変わりありません。

 しかし、新生血管を生み出す要因となる網膜色素上皮の老化現象を食い止めることができるのであれば、更に一歩進んだ治療が可能となる証であるとも言えますね。

◆ips細胞再生医療の分野は医療技術を大きく躍進させる

 ips医療が実用化されるにはまだ多くの問題がありますが、将来的にips細胞再生医療の分野は医療技術を大きく躍進させることは間違いありません。

 但し高度な技術には特許問題などが常時つきまといます。

 これらの特許などの問題が最新医療技術の早期普及の妨げとなることがないよう期待したいですね。

◆摂取しておきたい栄養素

 加齢黄斑変性症は老化や喫煙が要因となって発症する目の病気です。

 発症前の予防対策として具体的な対策がなかなか確認されずにいた中、近年になりサプリメントによる予防が高い効果を発揮する可能性が徐々に確認されるようになってきました。

 基本的には食事から栄養素を摂取するのは当然ですが、不足しがちでかつ加齢黄斑変性症の予防対策として特に不足することなく摂取しておきたい栄養素は、柑橘類に多く含まれる「ビタミン類」、緑黄色野菜などに多く含有されている「ベータカロチン」、そしてミネラルの一種である「亜鉛」です。

 ビタミンは涙の分泌に影響を与え、目の保護に関しても重要な役割を持っております。

 亜鉛はあまり意識することはない成分かもしれませんが、網膜を構成する成分の主力であり網膜の中心部に位置する黄斑部に障害が生じる黄斑変性の予防に関しては重要なミネラルとなりしっかり補給しておきたい栄養素と言えます。

◆加齢黄斑変性症の予防に効果のあるサプリメントの栄養素一覧表

 サプリメントの摂取に関しては既に加齢黄斑変性症を発症している患者の方も多くのケースでかかりつけの眼科の医師からサプリメントの摂取を薦められたかと思います。

 日本眼科学会でもサプリメントが加齢黄斑変性症の治療効果を持つ可能性が高いことを報じており、今後はサプリメントなどの栄養補助食品の役割が大きな注目を集めるようになってくるでしょう。

 但し、サプリメントは栄養補助食品とは言っても、海外では薬品と認定されているものが日本ではまだ認定されていない成分などもあり、人体へ副作用症状をもたらす可能性をもつサプリメントもまだ多く存在します。

 購入を検討する場合は、出来る限り基準の一致している国内企業のサプリメントを選択しておくと安心に繋がります。

 但し栄養素の補給の基本は食事から摂取が原則です。不足分をサプリメントで補うという本来の「栄養補助食品」としての位置づけを忘れずに頼りすぎることのないようにしましょう。

【加齢黄斑変性症の予防に効果のあるサプリメントの栄養素一覧表】
分類項目効果・効能
ビタミンC涙に多く含まれる成分でもあり重要
ビタミンEビタミンCと共に予防効果が期待される
ベータカロチン緑黄色野菜からの摂取が理想
亜鉛網膜に最も多く含まれるミネラル成分

◆黄斑変性症の萎縮型と診断を受けたら?

◆委縮型の進行度合いは非常にゆっくり

 加齢黄斑変性症の検査を受け、萎縮型のタイプと診断された場合。

 萎縮型は治療法が確立されていないタイプで明確な治療指針はまだ存在しておりません。

 加齢黄斑変性は大きく分類すると2種類の型に分類されます。

 この2種類とは「萎縮型加齢黄斑変性」「滲出型加齢黄斑変性」の2種類です。

 萎縮型の特徴は「網膜色素上皮」が加齢に伴って徐々に萎縮していくという特徴があります。

 滲出型と比較すると委縮型の進行度合いは非常にゆっくりと進行します。

 少しずつではありますが網膜組織がダメージを受け徐々に視力低下現象をもたらす為、早期で発見しづらい傾向にあるのも萎縮型の特徴です。

◆定期的に目の検査を受けながら進行状態をチェック

 萎縮型と診察を受けた場合、多くのケースでは特別な治療を行う事はありません。

 加齢黄斑変性症は老化にともなって誰にでも発症する可能性をもつ目の病気ですが、萎縮型の場合は症状の進行が遅い為、すぐに治療を開始することはほとんどないのが現状です。

 また、残念ながら萎縮型の現在の医学で有効と診断できる治療方法も確立されておりません。

 その為、定期的に目の検査を受けながら進行状態をチェックしていく形となっているのです。

 尚、萎縮型の治療に関しては将来的にips細胞再生医療によって治療が可能となる可能性もありipsの技術革新に期待が高まってきております。

※Point!萎縮型の治療法は確立されていない

◆萎縮型から滲出型へ移行するケース

 萎縮型を発症している患者であっても新生血管が発生するケースも多くあります。

 萎縮型から滲出型加齢黄斑変性症へ移行するケースは珍しい事ではなく、新生血管が確認された場合は新しい治療を開始していくことになります。

 この型の移行という特徴がある経緯からも定期検査を受けることはやはり重要であると言えるでしょう。

※Point!型の移行も考慮し定期検査を受ける

◆加齢黄斑変性症の治療予後の定期検査の重要性

◆予後の経過を確認する上でも定期検査を

 加齢黄斑変性症の治療を受けた後は、治療の経過を確認するためにも定期検査を受けることが大切です。

 ここでは治療や手術後の予後のポイントについて見ていきましょう。

 PDTやレーザー治療を行い、ある程度症状が回復してきた場合。

 治療を受けることで視力もある程度回復してきますが、加齢黄斑変性症は治療を終えた後も定期的に検査を受けることが大切です。

 これは人体の老化はやはり継続して続くものであり、新たに新生血管が網膜に生じたり、別の部位に新生血管の新たな誕生が見られる可能性もある為です。

 一度でも加齢黄斑変性症を発症している場合は、網膜組織と網膜色素上皮細胞に老化が起きている証でもありますから、定期健診を継続しながら予後を観察していくことが重要になってくるのですね。

◆片目だけで終わるケースも少ない

 片目だけに黄斑変性が確認された場合は、数年以内にもう片方の目にも加齢黄斑変性症を発症する可能性が非常に高いと言えます。

 最初に症状を確認した際には片目だけであるケースは非常に多くあります。

 そして、その後やはり両目に進展するケースも多くありますので、定期検査を受けることは再発の予防としての検査の意味合いだけではなく、もう片方の目の症状をチェックする目的もあると言えます。

◆ips再生医療への期待

 加齢黄斑変性症は症状を放置していると最終的には失明に至る可能性をもつ目の疾患です。

 網膜の中心にあたる黄斑部分にダメージを受けた場合、基本的にダメージを回復することは難しく失った視力が戻る事は原則ありません。

 ips再生医療の技術によって加齢黄斑変性症患者の未来にも少しずつ明りがともり始めるようになりましたが、ipsもまだ経験、統計データともに少なく試験的な段階にある医療法です。

 定期的な検査を重ね予後をしっかりとチェックしながら黄斑変性と向き合っていくことが大切です。

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